
「電話が多い」を減らすには、まず「何の電話が・どれだけ」を数字にすることです。入電数の分析から削減までは、記録 → 分類 → 上位特定 → 施策 → 効果測定の 5 ステップで回します。特別なツールがなくても、表計算ソフトがあれば今月から始められます。
- 分析の目的は「削減できる用件を特定する」こと ── 全部を細かく分析する必要はない
- 分類は細かくしすぎない(10 分類以内)。迷ったら「その他」でよい
- 削減インパクトは件数の多い上位用件に集中している
- 施策の後に同じ物差しで測り直すところまでが分析
ステップ 1: 入電の記録を揃える
分析の土台は記録です。とはいえ、通話録音や高機能な CTI は必須ではありません。最低限そろえるのは ①受電日時 ②用件の一言メモ ③対応時間の目安 の 3 つ。オペレーターや担当者が対応直後に 1 行残せる仕組み(共有シートで十分)を作ります。
ポイントは完璧な記録を目指さないこと。全体のおおまかな傾向がつかめれば分析は始められます。記録の負担が重いと続かないので、「1 行・30 秒以内で書ける」形式にしてください。
ステップ 2: 用件で分類する
集まった記録に用件ラベルを付けます。よくある失敗は分類を細かくしすぎることです。30 も 40 も分類があると、付ける側がブレて集計が信用できなくなります。最初は次のような粗い分類で十分です。
| 分類 | 例 |
|---|---|
| 手続き | 変更・解約・再発行の方法を知りたい |
| 使い方 | 操作・仕様が分からない |
| 状況確認 | 注文・申込・対応の進捗を知りたい |
| 料金・契約 | 料金の内訳・請求内容を確認したい |
| トラブル | 不具合・エラーが起きた |
| クレーム・相談 | 不満・個別事情の相談 |
| その他 | 上記に当てはまらないもの |
迷った記録は「その他」に入れて先に進みます。「その他」が膨らんできたら、その中身を見て分類を 1 つ足す──この順番なら分類表が現実に合わせて育っていきます。
ステップ 3: 件数順に並べて上位を特定する

分類ができたら、件数の多い順に並べます。多くの現場で、上位のわずかな用件が入電全体の大きな割合を占める偏りが見つかるはずです。この偏りこそが削減のチャンスです。下位の用件をいくら潰しても全体は動きません。見るべきは上位だけです。
あわせて「時間帯・曜日の偏り」も見ておくと、後の施策選び(営業時間外対応が効くか等)の判断材料になります。
ステップ 4: 上位用件に施策を当てる
上位用件それぞれに「なぜ電話になっているのか」を問い、削減手段を当てます。用件の性質ごとに、効く施策はだいたい決まっています。
| 上位用件の性質 | 効きやすい施策 |
|---|---|
| 手続き・使い方 | FAQ 整備・サイト導線改善・AI チャットボット |
| 状況確認 | 先回りの通知(完了メール・ステータス公開) |
| 料金・契約 | 料金ページの明確化・請求内容の説明改善 |
| クレーム・相談 | 削減対象外 ── 人の対応時間をここに再配分する |
施策の詳しい中身は、ピラー記事「コールセンターの問い合わせを削減する方法【完全ガイド】」で 7 つに整理しています。特に電話チャネルに絞った実務の打ち手は「電話問い合わせを減らす方法7選」が今週から着手できる粒度で参考になります。
ステップ 5: 同じ物差しで効果を測る

施策を打ったら、ステップ 1〜3 と同じ記録・同じ分類で翌月も集計します。見るのは「対象にした上位用件の件数が減ったか」の 1 点だけで十分です。全体件数だけを見ると、季節要因や新商品の影響に埋もれて施策の効果が判定できません。
この月次サイクルが回り始めると、「次にどの用件を潰すか」が毎月自動的に見えてきます。分析は 1 回のプロジェクトではなく、月次の習慣にする──これが削減を続ける唯一の方法です。
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できます。この記事の 5 ステップは共有の表計算シートを前提に書いています。重要なのはツールではなく「対応直後に 1 行残す」運用が続くことです。件数が多くなり手動記録が追いつかなくなった段階で、記録を自動化するツールを検討すれば十分です。
まずは 1 ヶ月を目安にしてください。月内の繁閑(月初・月末の偏りなど)を一巡見られるためです。急ぎたい場合は 2 週間でも上位用件の当たりは付きますが、施策の優先順位を確定する前に 1 ヶ月分は確認することをおすすめします。
ラベル付けは実際に電話を受けた本人がその場で行うのが最も正確です。後からまとめて分類すると記憶が曖昧になり、精度が落ちます。分類表を 10 個以内に抑えるのは、受電者がその場で迷わず選べるようにするためでもあります。