株式会社Livune

2026/9/10 AIエージェント活用

社内AI活用の事例と広げ方|部門別の使いどころ7つと、推進担当が最初にやること

社内AI活用の事例と広げ方のアイキャッチ(画像内テキスト: 社内AI活用の事例と広げ方 / 個人の便利を、会社の型にする / 推進担当ガイド)

「うちの会社でも AI を活用したい」──そう言われて推進担当を任された方が最初に調べるのは、他社の活用事例だと思います。ところが、事例を集めるほどかえって手が止まることがあります。事例の会社と自社では業務も規模も違い、読み終えるたびに「で、うちは何から?」に戻ってしまうからです。私たちがお客様の導入支援と自社の日常運用を通して確かめてきたのは、社内 AI 活用が進む会社と進まない会社の差は、ツールでも人材でもないということでした。差を分けるのは、社内のどこかで既に生まれている「個人の裏技」を、「誰でも同じ手順で再現できる会社の型」に変換する係がいるかどうか──つまり、推進担当の仕事の中身です。この記事では、社内 AI 活用を「使っている人がいる」状態から「会社が活用している」状態に変える考え方を最初に整理し、部門別の使いどころ 7 つを同じ型で読み、自社の実例を「任せた仕事」と「任せなかった判断」の両面から公開したうえで、推進担当が最初にやることを 5 つのステップに落とし込みます。

この記事の要点
  • 「使っている人がいる」と「会社が活用している」は別のこと ── 分けるのは再現できる・共有されている・確認の場所が決まっているの 3 条件
  • 部門別の事例は、派手さではなく「渡すもの・受け取るもの・人が見る点」の 3 列で読むと自社に引き写せる
  • 推進担当の仕事は「配ること」ではなく個人の裏技を手順に書き起こし、共有の場に置き、月 1 で棚卸しすること
  • 広げるときにつまずくのは、推進担当が 1 人で抱える・事例が「すごい」で終わる・ルールが無くて潜る、の 3 つ ── どれも仕組みで避けられる
STEP 1
使っている人を探す
ゼロから企画しない
STEP 2
手順に書き起こす
裏技を型にする
STEP 3
確認の場所を決める
見る点を絞る
STEP 4
共有の場をつくる
探せる棚に置く
STEP 5
月 1 で棚卸し
直して、また探す

社内AI活用とは ──「使っている人がいる」と「会社が活用している」は別のこと

1人がAIを使っている状態から、3人が同じ手順書を持って再現できる状態へ変わるイメージ(画像内テキスト: 使っている人がいる、では終わらない)

最初に、言葉の整理をしておきます。「社内で AI を活用している」と聞いて思い浮かぶ状態は、人によってかなり幅があります。全員に生成 AI のアカウントを配った状態を指す人もいれば、一部の詳しい社員が自分の仕事を速くしている状態を指す人もいます。しかし、推進担当の立場で大事なのは、そのどちらでもありません。私たちは、社内 AI 活用を「AI に任せる作業が、会社の手順として決まっている状態」と定義しています。ポイントは「会社の手順として」の部分です。ある社員が自分なりの頼み方で AI を使いこなしていても、その人が休んだら同じ結果が出ない、隣の部門はそのやり方を知らない、出力のどこを誰が確かめるかが決まっていない──この状態は「上手い人がいる」であって、会社の活用ではありません。個人の利用と会社の活用を分ける条件は 3 つです。

  • 再現できる ── 頼み方が手順として文章になっていて、その人がいなくても別の誰かが同じ品質の結果を出せる。頭の中にあるコツは、まだ会社の資産ではありません。
  • 共有されている ── その手順が、部門をまたいで見つけられる場所に置かれている。「聞けば教えてくれる」は共有ではなく、探せて初めて共有です。
  • 確認の場所が決まっている ── AI の出力のどこを、誰が、いつ見るかが決まっている。これが無いと、使う側は不安で使わず、管理する側は不安で止めたくなります。

この 3 つが揃った作業を、私たちは「型になった」と呼んでいます。そして推進担当の仕事は、社内に散らばっている個人の裏技を、この 3 条件を満たす型に変換していくことです。「AI を広める」「活用率を上げる」といった言い方より、「型を 1 つ増やす」と言い換えたほうが、やることが具体的になります。

見る指標にも注意が要ります。「利用者数」「ログイン率」を追うと、ログインしただけの数字を追いかけることになりがちです。推進担当が見るべき数は「型になった作業の数」と「その型が今月使われた回数」です。この 2 つが増えていれば、活用は進んでいます。

部門別の使いどころ7つ ── 事例を「渡すもの・受け取るもの・人が見る点」で読む

入力の書類をAIに渡し、出力の書類を受け取り、虫眼鏡で人が確認する3段階の流れのイメージ(画像内テキスト: 渡すもの、受け取るもの、見る場所)

ここからは、社内 AI 活用の使いどころを部門別に見ていきます。ただし、事例を読むときの姿勢を先に決めておきたいと思います。事例の価値は「どれだけすごいことをしたか」ではなく、「何を渡して、何を受け取って、人はどこを見たか」という構造にあります。この 3 列で読めば、業種も規模も違う事例を自社に引き写せます。逆に、成果だけが書かれていて構造が見えない事例は、参考にしにくいと考えてください。以下の表は、多くの会社で典型的に見られる使いどころを、その 3 列で整理したものです。すべて生成 AI の一般的な用途の範囲内で、特別なシステムを前提にしていません。

部門任せる作業渡すもの受け取るもの人が見る点
総務・事務社内通知・案内文の下書き、規程の要約要点のメモ、過去の通知文下書き、要約日付・対象者・言い回し
営業商談メモの整理、提案書の骨子商談の記録、顧客の課題整理されたメモ、骨子、次の一手の案約束した内容と金額
カスタマーサポート問い合わせの一次分類、返信の下書き問い合わせ本文、FAQ分類の候補、返信案送信前の内容と言葉づかい
経理領収書の読み取り、仕訳の相談領収書、取引の説明一覧表、科目の候補金額と科目の最終確定
人事・採用募集要項の下書き、面接メモの整理職務の説明、面接の記録下書き、論点の整理評価そのものと合否
企画・広報調査資料の要約、記事や投稿の下書き資料、過去の記事要約、下書き事実の裏取りと公開の判断
開発・情シスコードの生成とレビュー、手順書の作成仕様、既存のコード実装案、指摘、手順書動作確認と本番への反映

表を眺めると、部門が違っても共通点が見えてきます。まず、「任せる作業」の列はどれも下書き・分類・整理・要約であって、「確定」ではないことです。AI が受け持つのは、人がゼロから始めていた部分を「直せば済む状態」まで持っていくところで、最後の一手は人が打っています。次に、「人が見る点」の列を見ると、部門ごとに違うようでいて、実は 4 種類に収れんします。金額・約束・評価・公開──お金が動く、相手に何かを約束する、人を評価する、外に出す、の 4 つです。この 4 つは、どの部門でも人が確定します。逆に言えば、この 4 つに触れない作業は、思っているより広く AI に任せられます。

そしてもう 1 つ。この表の書き方そのものが、次の章以降で自社の事例を作るときの型になります。社内で「AI に頼んでうまくいっていること」を見つけたら、この 3 列(渡すもの・受け取るもの・人が見る点)で 1 行に書いてみてください。1 行に書けたものは型にできます。書けないものは、まだ本人のコツの段階です。推進担当の作業は、この「書けない」を「書ける」に変えていくことでもあります。

自社の実例 ── 任せた仕事と、任せなかった判断

AIが下準備した書類の束を持ち、人が承認印を押す判断を担う分担のイメージ(画像内テキスト: 任せた仕事と、任せなかった判断)

一般論だけでは実感が湧かないと思うので、私たち自身の例を出します。Livune は社員数名の小さな会社で、「作業を AI に任せる仕組み」を構築することを事業にしています。だからこそ、自社の日常業務のいくつかを AI エージェントに渡し、毎日運用しています。ここで大事なのは、何を任せたかと同じくらい、何を任せなかったかを見ていただくことです。事例を「すごい」で終わらせないために、両方を並べます。

任せた仕事任せなかった判断(人が残した一手)
毎朝の受信メールの要約と記録返信と削除はさせない ── 読み取りだけに権限を絞っている
請求書・経費精算の下書き発行・送付・支払いは必ず人が確認して実行する
コラム記事の執筆(この記事も)内容の確認と公開の承認は代表が行う
週次定例の議事録整理と進行資料の下書き決定事項が合っているかの確認
販促チラシ・ポスターの生成実際に配るかどうかの判断

右の列を見ていただくと、前の章で挙げた 4 つ──金額・約束・評価・公開──がそのまま並んでいることが分かると思います。私たちも例外ではなく、この 4 つは人の名前で確定しています。そしてもう 1 つ、左の列の 5 つに共通する点があります。どれも、頼み方が手順書として固定してあることです。「今日はこう頼んでみよう」ではなく、毎回同じ手順書を AI に渡しているので、毎日同じ品質で回ります。これが、前の章で言った「型になった」状態です。任せている業務の中身や、非エンジニアがつまずきやすい点については「Claude Code でできること|非エンジニアの業務でどこまで使えるか」で詳しく書いています。

正直に書いておくと、この 5 つを最初から一度に作ったわけではありません。1 つ作って回し、手順書が曖昧なところで出力がぶれたら手順書を直し、安定してから次を足す──この繰り返しでした。出力がぶれたときに「AI は使えない」ではなく「手順書のどこが足りないか」と見るのが、推進の実務そのものです。次の章では、この繰り返しを推進担当の 5 つのステップとして整理します。

推進担当が最初にやること ── 5つのステップ

走り書きの付箋が、整った手順書のページに書き起こされるイメージ(画像内テキスト: 裏技を、手順に書き起こす)

冒頭のロードマップのとおり、5 つのステップで進めます。先に強調しておきたいのは、「全社にツールを配る」から始めないことです。配ることは推進の入口ではなく、型がいくつかできた後に効いてくる手段です。推進担当が最初にやるのは、社内に既にある裏技を見つけて、型に変える作業です。

ステップ 1 ── 社内で「すでに使っている人」を探す

推進の出発点は、ゼロからの企画ではありません。多くの会社では、推進担当が動き出す前から、誰かが手元で AI に何かを頼んでいます。メールの下書き、議事録の整理、調べ物の要約──本人は「たいしたことではない」と思っているので、聞かれなければ言いません。探し方は単純で、部門ごとに「AI に何か頼んでみたことはありますか」と聞いて回るだけです。経験上、この聞き取りで 3〜5 個は見つかります。見つかったものは、前の章の 3 列(渡すもの・受け取るもの・人が見る点)で 1 行ずつ書き出してください。この一覧が、推進担当にとっての最初の「事例集」になります。もし本当に何も見つからなければ、部門別の表から 1 つ選んで自分で始めます。どの業務から手を付けるかの基準──繰り返し発生している・やり方を言葉で説明できる・誤りに気づけばやり直せる──は「AIに任せる業務の選び方」で棚卸しの手順として詳しく書いています。

ステップ 2 ── 裏技を手順に書き起こす

見つけた裏技を、本人以外が再現できる文章にします。書く項目は 5 つで足ります。①この作業の目的 ②AI に渡す材料 ③判断の基準(何を優先し、迷ったらどうするか)④やってはいけないこと ⑤出力の形。本人に「いつもどう頼んでいますか」と聞きながら、推進担当が横で書き取るのが速い進め方です。本人に書いてもらおうとすると、「コツが言葉にならない」で止まりがちだからです。書き方の型と、判断基準・禁止事項・出力形式をどう文章にするかは「AIに渡す手順書の書き方」で 1 本の記事にしています。書けたら、本人以外の 1 人に、その手順書だけで同じ作業をしてもらってください。同じ品質の結果が出れば型になっています。出なければ、手順書に本人の暗黙の前提が抜けているので、本人に「ここで何を考えていますか」と聞いて足します。この再現テストを省くと、手順書は「書いたが使われない文書」になります。

ステップ 3 ── 確認の場所を決める

ここで、正面から書いておくべきことがあります。AI の出力には、もっともらしい誤りが混ざることがあります。これは現在の技術の性質で、手順書を磨いてもゼロにはなりません。だからといって全文を読み直していては、任せた意味が薄れます。答えは、「人が見る点」を 1〜3 個に絞って手順書に書き込むことです。絞る基準は、前の章の 4 つ──金額・約束・評価・公開──です。出力がこの 4 つに触れる箇所だけを見る、あるいは社外に出る・お金が動く直前の一点に確認を置く。それ以外の箇所は、誤りがあっても社内で直せるので、確認を薄くして速度を優先できます。確認の場所が決まると、使う側の「間違っていたらどうしよう」という不安が消えます。使われない理由の多くは、この不安に名前がついていないことです。

ステップ 4 ── 共有の場をつくる

型になった手順書を、探せる場所に置きます。新しいツールを入れる必要はありません。既に使っている社内 Wiki、共有フォルダ、社内 FAQ のどれでも構いません。条件は 2 つだけで、「探せる」と「更新できる」です。おすすめは、「AI に頼むときの手順書」という 1 つの棚を作り、部門をまたいで同じ場所に並べることです。総務の手順書を営業が見て「うちでも使える」と気づく──この横の発見が、推進担当が 1 人で企画するより速く型を増やします。社内 FAQ を「聞かれたら書く」で回す考え方と運用の型は「社内FAQの作り方」に書いていますが、AI の手順書の棚もまったく同じ回し方で運用できます。

ステップ 5 ── 月 1 回の棚卸し

最後に、月 1 回の棚卸しを予定に入れます。見るのは 3 つ──①型の数 ②それぞれが今月使われた回数 ③直した点──です。ここで優先するのは、型を増やすことより止まっている型を見つけて、直すか消すか決めることです。使われていない型が棚に残り続けると、探しにくくなって棚全体の信頼が落ちます。消すことも推進の仕事です。そして棚卸しの場には、「今月見つかった新しい裏技」を持ち寄ってもらいます。これがステップ 1 に戻る入口になり、5 つのステップが 1 か月周期のループとして回り始めます。推進とは、このループを止めない係のことだと言ってもいいと思います。

広げるときにつまずく3つのこと ── 仕組みで避ける

5 つのステップは単純ですが、実際に回すとつまずく場所がだいたい決まっています。私たちがお客様の推進担当の方と一緒に見てきた中で、繰り返し出てくるのは次の 3 つです。どれも個人の努力ではなく、仕組みで避けられます。

01
推進担当が 1 人で抱える

全部門の手順書を推進担当が 1 人で書こうとすると、3 つ目あたりで止まります。本人の業務も止まり、周りは「推進担当がやってくれる」と待つ構図になるからです。対処は、推進担当の役割を「書く人」から「型を配る人」に変えることです。手順書の雛形(前の章の 5 項目)を推進担当が用意し、各部門に書き手を 1 人ずつ置き、推進担当は雛形の提供と再現テストの立ち会いを担う。書く量は部門側に分散し、品質の基準は推進担当が握る──この分担なら 1 人でも回ります。

02
事例が「すごい」で終わって再現されない

社内の共有会で活用事例が発表され、拍手が起きて、翌週には誰も同じことをしていない──よくある光景です。原因は、共有の成果物が「感想」で終わっていることです。対処は、共有会の合格基準を「明日、隣の人が同じことをできるか」に置き換えることです。発表の成果物は手順書に固定し、発表者以外の 1 人がその場で再現してみせる時間を組み込みます。再現できて初めて共有済み、という基準にすると、共有会は自然に「型を増やす場」に変わります。

03
ルールが無くて、使っている人が言い出せない

ステップ 1 で「使っている人」が見つからない会社の多くは、実際には使っている人がいるのに言い出せない状態です。使ってよい範囲が示されていないと、「怒られるかもしれない」と思った人は黙って使い続けます。こうなると裏技は表に出ず、型にする材料が集まりません。対処は、禁止リストを作ることではなく、「この範囲なら自由に使ってよい」を先に宣言することです。自由・確認・使わない、の 3 区分で線を引く考え方と盛り込む項目は「生成AIの社内ガイドラインの作り方」で詳しく書いています。ガイドラインは推進を縛るものではなく、裏技を表に出すための入口です。

3 つに共通しているのは、「人がもっと頑張る」で解こうとしないことです。推進担当が 1 人で背負わない分担、再現を合格基準にした共有、使ってよい範囲の先出し──いずれも一度決めれば効き続ける仕組みです。

「活用」の次に見るもの ── 型が使われ続けているか

5 つのステップが回り、型が 5 つ、10 と増えてきたら、次に見るのは「その型が使われ続けているか」です。作った直後は使われても、1 か月後に止まっている型は少なくありません。止まる理由には共通のパターンがあり、業務フローに接続されていない・最初の成功体験が無い・更新の担当がいない、といった構造で説明できます。なぜ定着しないのかの理由分析と、定着する会社が地道にやっている 4 つのことは「AI活用が社内に定着しない4つの理由と、定着させる進め方」で扱っています。本記事の 5 ステップが「型を増やす」側の手順だとすれば、あちらは「増えた型を根付かせる」側の手順です。

Livune は、「作業を AI に任せる仕組み」を構築している会社です。この記事に書いた進め方──個人の裏技を手順に書き起こし、確認の場所を決め、探せる棚に置き、月 1 で棚卸しする──は、教科書からの引き写しではなく、私たち自身が自社で毎日回し、お客様の推進担当の方と一緒に繰り返し使っている手順そのものです。

個人の便利を、会社の型に
社内AI活用は、「型に直す係」がいるかどうかで決まります

Livune は、この記事の手順──裏技の発見・手順書への書き起こし・確認の設計・共有の棚・月次の棚卸し──を自社で毎日運用している AI 導入支援の会社です。推進担当の方が 1 人で抱えずに済む形で、本番の業務で使われ続ける型づくりをご一緒します。

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自社で毎日運用している方法をそのまま / 本番運用前提で設計

よくある質問

社内 AI 活用は、何から始めればいいですか?

ツールを全員に配ることからではなく、社内で「すでに AI に何か頼んでいる人」を探すことから始めてください。部門ごとに聞いて回ると、メールの下書きや議事録の整理など、本人が「たいしたことではない」と思っている使い方が見つかります。それを「渡すもの・受け取るもの・人が見る点」の 3 列で 1 行に書き出し、手順書に起こして本人以外の人が再現できるようにする──この 1 つ目の型ができた時点で、社内 AI 活用は始まっています。

情報システム部門がない会社でも推進できますか?

できます。この記事の 5 ステップは、プログラミングではなく「自社の業務を言葉にする」作業が中心なので、業務をよく知っている方のほうが向いています。必要なのは、手順書の雛形を用意し、再現テストに立ち会い、月 1 回の棚卸しを回す係が 1 人いることです。ツールの設定や権限の設計に不安がある部分だけ、外部の支援と組み合わせる進め方もあります。

社内の AI 活用事例集は作ったほうがいいですか?

「成果の紹介」としての事例集より、「手順書の棚」として作ることをおすすめします。読んで感心して終わる事例集は、翌週には再現されません。1 件ごとに、渡すもの・受け取るもの・人が見る点と手順書をセットにし、読んだ人が明日そのまま真似できる形にしてください。その形なら、事例集は推進担当の企画を待たずに型を増やす装置になります。

有料の AI ツールを全員分そろえる必要はありますか?

最初から全員分をそろえる必要はありません。型がいくつかでき、「この部門のこの作業で使う」と決まってから、その範囲の人数分を用意するほうが無駄が出ません。配ることは推進の入口ではなく、型ができた後に効いてくる手段です。なお、業務で使う以上、入力してよい情報の範囲は先に決めておく必要があります。その線引きは社内ガイドラインの記事で扱っています。