
社員に AI 研修を受けさせたい。研修会社から見積も取った。ここで多くの会社が一度立ち止まります──「この研修費、助成金でどうにかならないだろうか」。結論から言うと、AI 研修は、要件を満たせば公的な助成金の対象になります。代表的な制度が厚生労働省の人材開発支援助成金で、研修費の一部と、研修を受けている時間の賃金の一部が、会社に対して助成されます。ただし、この制度には検索しただけでは見えにくい性質が 1 つあります。それは、「研修を決めてから申請する」のではなく「申請の順番に研修を合わせる」制度であるということです。研修が終わってから「助成金を使いたい」と言っても、後出しは効きません。研修の形態が要件から外れていれば、どれだけ良い研修でも対象になりません。つまり、研修会社を選ぶ前に手続きの順番を知っているかどうかで、使えるか使えないかがほぼ決まります。この記事では、会社が使う制度と個人が使う制度の整理から、AI 研修が対象になる 3 つの要件、助成額の考え方と計算例、計画届から支給申請までの順番、つまずきやすい 5 つの場面、研修会社に確認すべき質問まで、実務の手順に落とし込みます。なお、研修そのものの選び方(3 つの種類・5 つのチェックポイント)は「生成AI研修の選び方」で 1 本の記事として書いているので、本記事は助成金に絞ります。
- 会社が社員に受けさせる AI 研修に使えるのは人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)が代表格 ── 個人が自分で受ける講座の給付とは別の制度
- 対象になる条件は 3 つ ──OFF-JT であること・実訓練 10 時間以上・DX 化に必要な専門知識を身につける訓練であること。AI 研修は 3 つ目に素直に当てはまる
- 助成は経費助成と賃金助成の 2 本立てで、受講人数が増えるほど計算上の助成総額は増える ── ただし後払いで、研修費は先に全額払う
- 最大のつまずきは「後出し」──研修開始の 1 ヶ月前までに計画届を出すのが出発点。研修会社を選ぶ前に順番を押さえる
手続きの全体像は次の 5 ステップです。本文の「手続きの順番」の章で 1 つずつ説明します。
AI研修に使える助成金の全体像 ── 会社が使う制度と、個人が使う制度は別

「AI 研修 助成金」で調べると、制度名がいくつも出てきて混乱しがちです。最初に整理しておきたいのは、誰が申請して、誰にお金が入るのかという軸です。会社が社員に研修を受けさせる場合と、個人が自分で講座を受ける場合では、制度がまったく別だからです。この記事の主題は前者ですが、後者も含めて地図を描いておきます。
| 制度 | 申請するのは | AI 研修との関係 |
|---|---|---|
| 人材開発支援助成金 | 会社(雇用保険の適用事業所) | 社員に受けさせる研修の経費と賃金を助成。AI 研修は「事業展開等リスキリング支援コース」が主な受け皿 ── 本記事の主題 |
| 教育訓練給付 | 個人(受講する本人) | 国の指定を受けた講座を自費で受けた場合に、費用の一部が本人に給付される。会社の研修費の助成ではない |
| IT 導入補助金 | 会社 | IT ツールの導入が対象。研修単独は対象にならず、ツール導入に付随する導入支援の一部として扱われる範囲にとどまる |
| 自治体の独自制度 | 会社(地域による) | 都道府県などが独自に研修費を補助する制度がある場合がある。対象・時期・継続の有無は地域と年度で異なる |
会社として「社員に AI 研修を受けさせたい」のであれば、まず見るべきは人材開発支援助成金です。原資は雇用保険料で、申請するのは会社、受講者は雇用保険の被保険者である社員、という構造になっています。逆に、経営者本人が自分のために講座を受ける、社員が自分の意思で夜間講座に通う、といった場合は教育訓練給付の側で、国の指定を受けた講座かどうかが分かれ目になります。IT 導入補助金は名前に「導入」とあるとおりツールが主役で、研修だけを補助するものではありません。ここを混同したまま研修会社と話を始めると、「補助金が使えると聞いたのに」というすれ違いが起きるので、最初に自社がどの箱に当たるかを確認してください。以降は人材開発支援助成金、その中でも AI 研修の主な受け皿になるコースに絞って説明します。
人材開発支援助成金で AI 研修が対象になる 3 つの要件
人材開発支援助成金にはいくつかのコースがありますが、AI 研修と相性がよいのは事業展開等リスキリング支援コースです。新しい事業への展開や、企業内の DX 化・GX 化を進めるために必要な知識・技能を社員に身につけさせる訓練を対象にしたコースで、AI を業務に取り入れるための研修はこの趣旨にそのまま当てはまります。対象になるには、次の 3 つの要件をすべて満たす必要があります。
- ①OFF-JT であること ── 通常の業務から離れて受ける訓練であること。講師がいて、カリキュラムがあり、実施日時と出席が記録される研修の形です。日常業務の中で先輩が教える OJT はこの制度の対象ではありません。
- ②実訓練時間が 10 時間以上あること ── 移動時間や、制度の対象にならないカリキュラムを除いた正味の訓練時間で数えます。半日の講義 1 回では届かないため、複数回のシリーズや 2 日間の構成で組むのが通例です。
- ③企業内の DX 化・GX 化に必要な専門知識・技能を身につける訓練であること ── AI を業務に取り入れる研修、AI を使った開発手法の研修などは、ここに素直に該当します。通常の OFF-JT では「職務に間接的にしか関係しない訓練」は対象外とされますが、DX 化を目的とする訓練にはその除外規定が適用されません。
③について補足すると、「DX 化に必要」という言葉は、研修の内容が自社の業務や事業とどうつながるかを計画届で説明できるかどうか、という意味合いです。たとえば開発部門向けに AI に実装やレビューを任せる進め方を学ぶ研修は、開発の生産性を上げるための専門技能の訓練として説明しやすい典型例です(この分野の内容は「AI駆動開発とは」で解説しています)。全社員向けのリテラシー研修でも、業務での活用を目的として組み立てられていれば対象になり得ます。
もう 1 つ、研修を頼む側が知っておくと安心な点があります。研修会社の側に、国の登録や認定は必要ありません。職業に関する教育訓練を行う団体であれば、この制度の外部委託先(事業外訓練の実施者)になれます。教育訓練給付の「指定講座」とは別の話で、混同されやすいところです。その代わり、講師には実務経験などの要件があり、研修会社側は講師の要件を確認する書類や、不正受給に関与しない旨の承諾書といった訓練実施者としての書類を用意することになります。つまり、研修会社が「助成金に対応しているか」とは、登録の有無ではなく、これらの書類と記録に対応できるかどうかを指します。
助成はどれくらいか ── 経費助成と賃金助成の 2 本立て

この制度の助成は 2 本立てです。1 つは経費助成──研修会社に払う受講料や講師謝金、教材費などの一定割合が助成されます。もう 1 つは賃金助成──社員が研修を受けている時間について、1 人 1 時間あたりの定額が助成されます。研修費だけでなく「研修を受けている間の人件費」にも支援があるのがこの制度の特徴で、受講人数と訓練時間が増えるほど、計算上の助成総額は積み上がります。2026 年 4 月改正時点の公表資料に基づく主な数字は次のとおりです。
| 項目 | 中小企業 | 大企業 |
|---|---|---|
| 経費助成率 | 4 分の 3 | 60% |
| 経費助成の上限(1 人・10 時間以上 100 時間未満の訓練) | 30 万円 | 20 万円 |
| 賃金助成(1 人 1 時間あたり) | 1,000 円 | 500 円 |
| 1 人あたりの回数 | 年度 3 回まで | 同左 |
数字の感覚をつかむために、計算例を 1 つ置きます。中小企業が、研修費 40 万円・10 時間のオンラインライブ研修を社員 5 名で受ける場合を考えます。経費助成は 1 人あたりに按分した研修費(40 万円 ÷ 5 名 = 8 万円)の 4 分の 3、つまり 1 人 6 万円で、5 名分 30 万円。賃金助成は 10 時間 × 1,000 円 × 5 名で 5 万円。合わせて計算上の助成は 35 万円、研修費 40 万円に対する会社の実質負担は 5 万円になります。同じ研修を 10 名で受けると、1 人あたりの按分経費は下がる一方で賃金助成は人数分増えるため、計算上の助成総額は研修費にさらに近づきます。講師派遣型の研修は「研修 1 本いくら」で価格が決まることが多いので、受講人数を増やすほど 1 人あたりの負担は下がるという構造を覚えておくと、受講者の人選と人数を決めるときに役立ちます。
ここで、正直に書いておくべき性質が 2 つあります。1 つ目は、助成金は後払いだということです。研修費は研修会社にいったん全額支払い、研修が終わった後に支給申請をして、審査を経て振り込まれます。資金繰りの上では「研修費が安くなる」のではなく「研修費を先に払い、後から一部が戻る」と捉えるのが正確です。2 つ目は、研修の形態によって助成が大きく変わることです。e ラーニング型・通信制・定額制の訓練には特例があり、中小企業の経費助成の上限は半分の 15 万円に下がり、賃金助成の対象にもなりません。講師が同じ時間にオンラインで進める同期型のライブ研修は OFF-JT として通常の扱いになるので、オンラインで実施するなら録画を見る形式ではなく、ライブ型で組むのが定石です。同じ「オンライン AI 研修」でも、この違いで助成額が変わります。
手続きの順番 ── 申請は、研修の前に始まる

ここが本記事の中心です。冒頭のロードマップのとおり 5 つのステップで進みますが、大事なのはステップ 1 と 2 が研修の前に来るという一点です。研修を先に決めて、後から助成金の手続きを始める順番では間に合いません。
ステップ 1 ── 社内の準備(推進者の選任と計画の策定)
計画届を出す前に、会社側で 2 つの準備が必要です。1 つは職業能力開発推進者の選任──社内で人材育成を推進する担当者を決めることです。もう 1 つは事業内職業能力開発計画の策定と、従業員への周知──会社として人材育成をどう進めるかを文書にし、社員に知らせておくことです。どちらも形式的に見えますが、制度上の前提条件で、これが済んでいないと次に進めません。初めて助成金を使う会社は、ここに思ったより時間がかかります。研修会社と話を始めるのと並行して、社労士に「人材開発支援助成金を使いたいので、推進者の選任と事業内計画の準備を進めたい」と伝えておくと、順番が崩れません。
ステップ 2 ── 職業訓練実施計画届の提出(研修開始の 1 ヶ月前まで)
研修の内容・日程・受講者・訓練実施者などを記載した職業訓練実施計画届を、研修開始日の 1 ヶ月前までに管轄の労働局へ提出します。この「1 ヶ月前」が、この制度で最も重要な期限です。研修開始後の届出は受け付けられないため、ここを過ぎた時点で、その研修は助成の対象から外れます。逆算すると、研修会社との打ち合わせ開始から研修当日までは、カリキュラムの確定・見積・社内の準備・計画届の提出を含めて、最低でも 1 ヶ月半から 2 ヶ月のリードタイムを見ておく必要があります。研修会社側は、この段階でカリキュラム表・訓練時間の内訳・受講料を明示した資料・講師の要件を確認する書類などを用意します。「来月早々に研修をやりたい」という相談から助成金を使うのは、この期限の性質上ほぼ不可能です。
ステップ 3 ── 研修の実施と記録
計画届のとおりに研修を実施します。ここで意識すべきは、あとで支給申請に使う記録をその場で残すことです。具体的には、受講者ごとの出席簿(オンラインなら参加ログ)、実施日時と訓練時間、使用した教材とその目次、講師の実施記録、修了証などです。修了の要件は、受講時間が実訓練時間数の 8 割以上であること。途中で欠席が重なった受講者は、その人の分の助成が出ないことになります。受講者の業務の都合で日程を組み替える場合は、計画届の内容との整合を確認しながら進めてください。研修会社がこれらの記録を申請に使いやすい形でまとめて渡してくれるかどうかは、研修会社を選ぶときの実務的な確認点です。
ステップ 4 ── 支給申請(研修終了の翌日から 2 ヶ月以内)
研修が終わったら、終了日の翌日から 2 ヶ月以内に支給申請を行います。こちらも期限は厳格です。ステップ 3 で残した記録と、受講料の支払いを証明する書類、賃金の支払いを証明する書類などをそろえて提出し、審査を経て助成金が振り込まれます。この申請書類の作成と提出は、会社自身か、会社が依頼した社会保険労務士が行います。研修会社に代行を頼むものではありません。研修会社の役割は、訓練実施者として必要な書類の記入と、実施記録の提供までです。役割分担を最初に握っておくと、終了後に「誰が出すのか」で慌てずに済みます。
ステップ 5 ── 記録の保存(5 年間)
支給が決定した後も、出席簿・修了証・講師の記録などの実施記録は5 年間の保存が求められます。後日の確認に応えられるよう、研修ごとにフォルダを分けて、計画届から支給決定通知までを一式で保管しておくのが確実です。1 度この型を作っておけば、2 回目以降の研修では同じ手順をなぞるだけになります。制度上、1 人の社員は年度に 3 回まで対象になるので、シリーズで研修を組む会社ほど、この型の価値が上がります。
AI研修で助成金を使うときの、つまずきどころ 5 つ

手続きの順番を押さえたうえで、実際に相談を受けていて多いつまずきを 5 つ挙げます。いずれも制度の難しさというより、順番と形態の問題で、事前に知っていれば避けられるものです。
最も多いつまずきです。研修会社と日程まで固めた後で「助成金も使えますか」となり、開始まで 1 ヶ月を切っていて届出ができない。後出しは制度上まったく効きません。研修の検討を始めた最初の打ち合わせで、助成金を使う前提かどうかを決める──それだけで避けられます。使う前提なら、日程は「計画届が 1 ヶ月前に出せる日」から逆算して置きます。
「オンラインなら手軽」と録画視聴型の講座を選ぶと、経費助成の上限が半分になり、賃金助成も対象外になります。オンラインで実施すること自体は問題ありません。講師がその時間に進めるライブ型の OFF-JT として組むことが条件です。研修会社に「同期型のライブ研修ですか、録画視聴型ですか」と、最初に確認してください。
半日 3 時間の研修 1 回では要件に届きません。10 時間は正味の訓練時間で数えるため、休憩や移動は含まれません。避け方は、研修をシリーズや複数日の構成にして 10 時間以上に設計することです。実は、これは定着の面でも理にかなっています。1 回きりの研修より、間隔を空けて複数回受ける方が、研修と研修の間に業務で試す機会が生まれるからです。要件に合わせることが、結果として良い研修設計になる例です。
研修は無事に終わったのに、出席の記録が曖昧、教材の目次がない、講師の実施記録が残っていない──これで支給申請が滞ることがあります。避け方は、研修開始前に「終了後に何を提出するか」の一覧を社労士と研修会社で共有しておくことです。記録は後から作れません。当日に残す仕組みを、研修の設計に含めてください。
助成率の高さは魅力ですが、助成が出るかどうかで研修の良し悪しは変わりません。「助成金が使えるから」と要件だけ満たした汎用研修を入れて、翌月には誰も使っていない──これは助成金を使わなかった場合よりも残念な結果です。順番は、まず定着する研修を選び、そのうえで使える制度を確認する。研修の中身の見極め方は「生成AI研修の選び方」に、研修後に AI 活用が定着するかどうかを分ける構造は「AI活用が社内に定着しない4つの理由と、定着させる進め方」にまとめています。制度はあくまで、良い研修を受けやすくするための後押しです。
5 つに共通するのは、制度そのものは難しくないが、順番と形態を間違えると取り返しがつかないという性質です。だからこそ、本記事の冒頭に手続きの 5 ステップを置きました。研修会社と最初に話す日に、この順番が頭に入っているかどうかで、結果が変わります。
研修会社に確認する 5 つの質問
ここまでの内容を、研修会社との打ち合わせでそのまま使える質問の形にまとめます。研修の中身の見極めとは別に、助成金の観点で次の 5 点を確認してください。
- ①実訓練時間は 10 時間以上で設計できますか ── 休憩・移動を除いた正味の時間で答えてもらいます。届かない場合、シリーズ化や 2 日間構成で 10 時間以上にできるかも合わせて聞きます。
- ②オンラインの場合、講師が同じ時間に進めるライブ型ですか ── 録画視聴型は特例で助成が下がるため、形態を最初に確定させます。
- ③講師は実務経験などの講師要件を満たしていますか ── 訓練実施者側の書類で講師の要件を確認する項目があるため、対応できるかを聞きます。
- ④訓練実施者として必要な書類に対応できますか ── 講師要件の確認書、支給申請に関する承諾書、受講料を明示した資料、カリキュラム表、教材の目次など。「助成金の活用実績はありますか」と聞くのも有効です。
- ⑤実施記録(出席・実施日時・修了証)を申請に使える形で渡してもらえますか ── 支給申請の材料を研修会社側で揃えてもらえるかどうかで、社内と社労士の負担が大きく変わります。
1 つ注意があります。研修会社は訓練実施者として自社の書類や記録を用意しますが、会社の申請書類を代わりに作ったり、提出を代行したりはしません。これは社会保険労務士の領域で、代理人が不正に関与した場合の制度上のペナルティも重いため、まともな研修会社ほどここに線を引きます。「申請まで全部やります」と言う研修会社は、むしろ慎重に見てください。申請は自社か社労士、研修会社は研修設計と実施側の書類──この分担が、制度を健全に使う形です。
私たち Livune も、企業向けの AI 研修(エンジニア向けの AI 駆動開発研修など)を設計・実施している立場から、同じ線引きで動いています。申請の代行はしませんが、助成金を使う前提でのご相談には、10 時間以上のシリーズ構成、ライブ型での実施、実施記録の整備といった要件を踏まえた研修設計の形でお応えしています。順番は、この記事で書いたとおりです──まず定着する研修を、そのうえで使える制度を。
Livune は、自社の業務で AI を毎日使い倒しながら、企業向けの AI 研修と定着支援を行っている会社です。目的の整理、受講者に合わせたカリキュラム設計、ハンズオン中心の実施、研修後のルール整備とフォローまで、使われ続ける状態を前提にご一緒します。
Livune の研修・AI 定着支援を見る →よくある質問
会社が申請する人材開発支援助成金とは別に、個人が自費で受ける講座には教育訓練給付という制度があります。国の指定を受けた講座を修了した場合に、費用の一部が本人に給付される仕組みで、対象になるのは指定講座に限られます。受けたい講座が指定を受けているかを、講座の案内や国の検索システムで確認してください。会社の研修費の助成とは制度が異なるので、混同しないことが大切です。
人材開発支援助成金には、外部に委託する訓練だけでなく、社内で実施する訓練の枠もあります。ただし、講師の要件や訓練の要件、対象になる経費の範囲が外部委託の場合と異なります。本記事は外部の研修会社に依頼する形を前提に書いているので、内製で進める場合は、社会保険労務士か管轄の労働局に、自社の実施形態で対象になるかを個別に確認してください。
任せられません。会社の申請書類の作成と提出は、会社自身か、会社が依頼した社会保険労務士が行います。研修会社が担うのは、講師の要件を確認する書類や承諾書など訓練実施者としての書類と、出席簿・修了証などの実施記録の提供までです。研修会社を選ぶときは「申請を代行してくれるか」ではなく「実施側の書類と記録に対応してくれるか」を確認してください。
この制度の助成対象になる受講者は、雇用保険の被保険者である従業員です。雇用保険に加入していない役員や、業務委託契約のメンバーは、研修に参加すること自体はできても、その人の分は助成の対象になりません。受講者の人選をするときは、誰が対象に含まれるかを先に整理し、対象外のメンバーの分は自己負担で参加する前提で人数と費用を組んでください。要件の詳細は制度の改定で変わるため、最新の支給要領で確認することをおすすめします。